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ラブドール♡ 優莉花
第1章 第1章:ラブドール、輝く。

第10話
◇
それは、まったく異なる種類の刺激だった。
今度は腰回りと太ももの内側を中心に、低音域の「うねるような」動き。
震えるのではなく、“這う”ような振動。
「くっ……」
彼女は、奥歯を軽く噛みしめる。
目は閉じない。顔も動かさない。
だが、体は――正直だった。
心拍は上昇し、呼吸が浅くなる。
汗が、うなじから背中へと静かに伝っていく。
「ぜったい……折れないから」
それは、ファンだけでなく、
自分自身に誓う言葉でもあった。
◇
《20分経過。》
「よし、次のフェーズへ。上半身、ランダムモードで」
「了解。サイレント+ディレイ挿入、同時にいきます」
ステージの光が、一瞬だけ暗転する。
そして――
彼女の胸部に設置されたパッドが、ランダムに発火した。
“発火”とはいえ、熱ではない。
あくまで、リズムの狂気。
前触れのないノイズ振動。
「――ッ!!」
顔は保った。
だが、その代償として、彼女の爪先は静かにぎゅっと丸まっていた。
痛みでも、快感でもない。
「制御不能」という恐怖が、少しずつ足元をすくってくる。
「……まだ、60分も経ってないんだよね……」
無音の中、彼女はふと、気づいてしまった。
時間の感覚が…すでに、壊れかけていることに。
◇
それは、まったく異なる種類の刺激だった。
今度は腰回りと太ももの内側を中心に、低音域の「うねるような」動き。
震えるのではなく、“這う”ような振動。
「くっ……」
彼女は、奥歯を軽く噛みしめる。
目は閉じない。顔も動かさない。
だが、体は――正直だった。
心拍は上昇し、呼吸が浅くなる。
汗が、うなじから背中へと静かに伝っていく。
「ぜったい……折れないから」
それは、ファンだけでなく、
自分自身に誓う言葉でもあった。
◇
《20分経過。》
「よし、次のフェーズへ。上半身、ランダムモードで」
「了解。サイレント+ディレイ挿入、同時にいきます」
ステージの光が、一瞬だけ暗転する。
そして――
彼女の胸部に設置されたパッドが、ランダムに発火した。
“発火”とはいえ、熱ではない。
あくまで、リズムの狂気。
前触れのないノイズ振動。
「――ッ!!」
顔は保った。
だが、その代償として、彼女の爪先は静かにぎゅっと丸まっていた。
痛みでも、快感でもない。
「制御不能」という恐怖が、少しずつ足元をすくってくる。
「……まだ、60分も経ってないんだよね……」
無音の中、彼女はふと、気づいてしまった。
時間の感覚が…すでに、壊れかけていることに。

