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ラブドール♡ 優莉花
第1章 第1章:ラブドール、輝く。

第1章 笑顔の向こう
第四話
「はい。私…ファンの方々が、応援してくれる限りは、どんなことでも頑張れます」
その言葉に、男の目が鋭く光った。
「素晴らしい。“どんなことでも”か。
じゃあ、さっそくだけど…ひとつ提案があるんだよね。
“最初の1本”として、どうしてもやってほしい企画がある」
言いながら、男は横の机に置かれた
分厚いファイルをトン、と置いた。
「内容は……まあ、事前に確認してもらうけどね。」
優莉花は、視線を落とした。
表紙にはこう書かれていた。
『特別企画:感情ゼロチャレンジ3H耐久』
思わず、胸の奥がざわついた。
「3H…?」
口に出すと、男はニヤリと笑った。
「そう。“3時間”。
君には、3時間の間、絶対に絶頂しないで耐え続けてもらうんだ。
カメラは止まらない。もちろん、編集もしない。
ファンの夢を壊さないために、笑顔のままでやり遂げてもらう」
優莉花は息をのんだ。
耳が熱くなり、手のひらにじんわりと汗がにじむ。
だが、彼女は顔を上げ、笑みを作った。
「……それが、ファンの望むものなんですね?」
「そのとおり」
男は唇の端を吊り上げた。
「君のファンは、君の強さを見たがってる。“どんなことがあっても微笑むラブドール”――それが優莉花のブランドだろ?」
ぐっ…と喉の奥が詰まったような感覚。
けれど、心の中には、あの言葉がよみがえる。
“あなたがいるから、学校を頑張れるんです”
“自分に自信がなくても、優莉花ちゃんの笑顔を見ると救われる”
あのファンレターの、震えた文字。
握手会で涙を浮かべていた子の顔。
あの子のために、私は立ち続けてきた――。
「……わかりました」
優莉花は、まっすぐにファイルを見つめた。
「やります。私、やってみせます。
それが“私を信じてくれる人たち”への恩返しになるなら」
男は、目を細めた。
「いいね。君ならできると思ってたよ。
……じゃあ、準備を始めようか。撮影は、明日だ」
優莉花はファイルを胸に抱え、控室に戻った。
独りになった瞬間、そっと壁にもたれ、
目を閉じて――静かに、息を整えた。
「……私は、“ラブドール”優莉花。
みんなの希望でいるって、決めたから――」
明日、どんな試練が待っていても。
私は、負けない。
第四話
「はい。私…ファンの方々が、応援してくれる限りは、どんなことでも頑張れます」
その言葉に、男の目が鋭く光った。
「素晴らしい。“どんなことでも”か。
じゃあ、さっそくだけど…ひとつ提案があるんだよね。
“最初の1本”として、どうしてもやってほしい企画がある」
言いながら、男は横の机に置かれた
分厚いファイルをトン、と置いた。
「内容は……まあ、事前に確認してもらうけどね。」
優莉花は、視線を落とした。
表紙にはこう書かれていた。
『特別企画:感情ゼロチャレンジ3H耐久』
思わず、胸の奥がざわついた。
「3H…?」
口に出すと、男はニヤリと笑った。
「そう。“3時間”。
君には、3時間の間、絶対に絶頂しないで耐え続けてもらうんだ。
カメラは止まらない。もちろん、編集もしない。
ファンの夢を壊さないために、笑顔のままでやり遂げてもらう」
優莉花は息をのんだ。
耳が熱くなり、手のひらにじんわりと汗がにじむ。
だが、彼女は顔を上げ、笑みを作った。
「……それが、ファンの望むものなんですね?」
「そのとおり」
男は唇の端を吊り上げた。
「君のファンは、君の強さを見たがってる。“どんなことがあっても微笑むラブドール”――それが優莉花のブランドだろ?」
ぐっ…と喉の奥が詰まったような感覚。
けれど、心の中には、あの言葉がよみがえる。
“あなたがいるから、学校を頑張れるんです”
“自分に自信がなくても、優莉花ちゃんの笑顔を見ると救われる”
あのファンレターの、震えた文字。
握手会で涙を浮かべていた子の顔。
あの子のために、私は立ち続けてきた――。
「……わかりました」
優莉花は、まっすぐにファイルを見つめた。
「やります。私、やってみせます。
それが“私を信じてくれる人たち”への恩返しになるなら」
男は、目を細めた。
「いいね。君ならできると思ってたよ。
……じゃあ、準備を始めようか。撮影は、明日だ」
優莉花はファイルを胸に抱え、控室に戻った。
独りになった瞬間、そっと壁にもたれ、
目を閉じて――静かに、息を整えた。
「……私は、“ラブドール”優莉花。
みんなの希望でいるって、決めたから――」
明日、どんな試練が待っていても。
私は、負けない。

