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ラブドール♡ 優莉花
第1章 第1章:ラブドール、輝く。
第一章:笑顔の向こう

第三話 ようこそ、新しい現場へ

 

駅前のロータリーに停まっていた黒いワンボックスカー。
後部座席のスモークガラスの向こうから、
黒いスーツの男が出てきて、無表情で一礼した。

 

「お迎えにあがりました。新事務所の者です」

 

日差しの強い午後。
セミの鳴き声すら、どこか遠く聞こえた。

優莉花はゆっくりと頷き、
大きなキャリーケースを静かに持ち上げる。

 

「よろしくお願いします」

 

車内は無言だった。
車載テレビは消されていて、音楽もかかっていない。
窓の外だけが、東京の景色を早送りのように流れていく。

 

移籍先の事務所は、表向きは芸能プロダクションだった。
だが、知っている人は知っている。
そこが“何を売りにしているか”を。

 

ビルの一室、エレベーターのドアが開くと、
受付の女が機械的に挨拶をした。

「優莉花さんですね。お待ちしておりました。社長がすぐにお会いします」

 

案内されたのは、
レースのカーテンと革張りのソファが並ぶ、やたらと広い部屋。

空調は冷えすぎていて、少し鳥肌が立った。

 

「ようこそ、我が社へ」

 

ゆっくりと現れたのは、
脂っこい笑顔を浮かべた男だった。
整ったスーツに金の時計、妙に目が笑っていない。

優莉花は、反射的に笑顔をつくった。
癖のように、仕事の顔が出る。

 

「今日からお世話になります。姫乃優莉花です。よろしくお願いします」

 

男は笑った。
薄く、じっとりと。

 

「いやいやいや、こっちこそ。
優莉花ちゃんみたいな大スターがうちに来てくれるなんて、ほんとに光栄だよ」

 

その声はやけに低く、
言葉の裏に何かが沈んでいた。

 

「ファンにとっては“奇跡の天使”って呼ばれてるらしいね?
君の名前、うちの幹部連中も大騒ぎだったよ」

 

「…ありがとうございます」

 

「でもまあ、うちは“アイドル育成”じゃないからさ。
売れてる子でも、しっかり“新しい色”に塗り替えていく主義なんだ。
分かるよね?」

 

優莉花の笑顔が、ほんの少しだけ揺れた。

 
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