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乱世に生まれた女たちの運命
第2章 村の女の話 惣兵衛の妻おふくの話

女たちの悲鳴があちこちで聞こえます。
向こうを見ると村の男たちが縄で縛られ、地べたにへたって涙を流しておりました。
その中に夫の姿もあったのです。泣いておるのでしょう。頭を垂れて顔は見えません。
「おぉ、果てそうだ、ぐぉぉ、堪らん、はぁ、はぁ、子種をそそいでやったぞ」
「終わったら、どけ、後がつかえとる」
一人が終わるとまた次が来ます。
もう、抵抗する気も起きません。
「おぉ、この女、豊かな乳房をしておる」
「ははは、此奴、赤子みたいに吸い付いておるわ」
雑兵たちは死にたくなるほど惨めな私の気も知らずに楽しんでいるのです。
「おぉ、俺も果てそうだ、それ、子種をくれてやるわ、それ、それ、ぐぉぉ、あぁ」
荒々しく息をする兵が憎たらしくて堪りませんが、非力な女にはどうもできません。
「おら、終わったならどけ」
また次が来ます。早く終われと願うしかできません。
「きゃああああ」
おたえの悲鳴でした。まだ若い生娘の身で自分と同じ目に会う娘を思うとかわいそうで堪りませんがどうすることもできません。
「この娘は生娘のまま人買いに売れば金になる」
「いいや、やっちまえ」
「きゃああああ、おかあぁぁぁ」
「へっへっへ、若い娘はたまらんな、これぞ勝ち戦の喜びよ」
「ちげーねー、俺ら女日照りの身分にしたら、これ以上の褒美はねぇ、女、米が手に入る」
「この娘は村に連れて帰る。俺の嫁子にしてぇ」
「いや、俺の嫁にしたい」
「いや、売っちまえ、金になるぞ」
雑兵たちの会話が耳に入るたびに負け戦の村の惨めさを痛感するのであります。
向こうを見ると村の男たちが縄で縛られ、地べたにへたって涙を流しておりました。
その中に夫の姿もあったのです。泣いておるのでしょう。頭を垂れて顔は見えません。
「おぉ、果てそうだ、ぐぉぉ、堪らん、はぁ、はぁ、子種をそそいでやったぞ」
「終わったら、どけ、後がつかえとる」
一人が終わるとまた次が来ます。
もう、抵抗する気も起きません。
「おぉ、この女、豊かな乳房をしておる」
「ははは、此奴、赤子みたいに吸い付いておるわ」
雑兵たちは死にたくなるほど惨めな私の気も知らずに楽しんでいるのです。
「おぉ、俺も果てそうだ、それ、子種をくれてやるわ、それ、それ、ぐぉぉ、あぁ」
荒々しく息をする兵が憎たらしくて堪りませんが、非力な女にはどうもできません。
「おら、終わったならどけ」
また次が来ます。早く終われと願うしかできません。
「きゃああああ」
おたえの悲鳴でした。まだ若い生娘の身で自分と同じ目に会う娘を思うとかわいそうで堪りませんがどうすることもできません。
「この娘は生娘のまま人買いに売れば金になる」
「いいや、やっちまえ」
「きゃああああ、おかあぁぁぁ」
「へっへっへ、若い娘はたまらんな、これぞ勝ち戦の喜びよ」
「ちげーねー、俺ら女日照りの身分にしたら、これ以上の褒美はねぇ、女、米が手に入る」
「この娘は村に連れて帰る。俺の嫁子にしてぇ」
「いや、俺の嫁にしたい」
「いや、売っちまえ、金になるぞ」
雑兵たちの会話が耳に入るたびに負け戦の村の惨めさを痛感するのであります。

