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略奪貴公子
第2章 見初められた花嫁

 レベッカの目が驚きで見開かれる。

 それまで へ の字で固まっていた唇が少しだけ緩んだ。

“ 不満…?そんな の ”

 そんなの贅沢だわ。

 人が何をもって人生を理不尽と呼ぶかは、その人間の身分や好みに左右される。

 わたしなんて別に……

 こんな事、貴族の娘なら──。

「心まで貴族になるな……!」

「…っ…アドルフ…ッ」

 レベッカの表情が崩れ始めた。

 薄紫の瞳が潤んでいる。

「……だってッ…わたしは…!」

 思わず顔を背けようとするも、頬に添えられた彼の手がそれを妨げた。

 真正面から見つめられ、よけいに感情が高ぶってしまう。セーブが効かない、平静さを保てない。

 それを見たアドルフはひとまず満足したのか。…彼の怒りが少しだけ引いたように見えた。

“ いくら不満を持ったって…っ ”

 ──不満を持ったところで何も解決には向かない。

 だから自分を押し殺すのが一番いい。それしかわたしにはできないから…。

「……なら、あなたが助けてくれるの?」

「どうだろうな…」

 ほらね、やっぱりそうでしょう?

 試しに彼に問いかけても

 彼は頷いてはくれなかったのだから。



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