この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
略奪貴公子
第10章 夫人が化ける夜

 準備は終わった。

「…行きましょうか」

 クロードはバルコニーへ彼女をいざなった。

 美しい装飾が彫られた手すりの、その内のひとつに、なにやら布が巻き付けてある。

 それは互いに結び合わされて一本の長い紐となり、ロープの代わりとして下まで垂れ下がっていた。

「おりるの…ですね」

──ゴクリ

 死んでしまうような高さではないけれど…。

 ……ん?

 クロードはいきなりレベッカを抱き抱えると、何も言わずに手すりの上に飛び乗った。

「…っきゃ!危な…」

「──静かに」

「……!」

 ストンと足場がなくなり宙に浮いた瞬間を味わう。

 怖がる彼女の腕がクロードの肩に回った。

 彼は片手と足を使って器用に布に掴まると、スルスルと螺旋(ラセン)に円を描きながら地に降り立った。

「ハァ……ハァ……(ドキドキドキ)」

「クスッ……平気ですか?」

「え、ええ、…ところであの人…レオは?」

「すぐに追い付く」

 マントの中に彼女を隠して走り出したクロード。

 注意を払わなければ…見廻りの衛兵に見つかってしまう。

 城の裏の、薄暗い林の方へ彼はレベッカを連れ出した。

 時おりその場に身を屈めて動かなくなるのは、人の気配を感じたからだろうか。

 レベッカも唾を飲み込み息をひそめた。


/274ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ