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略奪貴公子
第13章 目をトジ 声をヒソメテ

「…まだ触れてもいないのに厭らしい身体だ。いや、素直で…愛おしいと、言いかえましょうか」

 そう言って乳輪をくるくると指でなぞった。

 そして、試しとばかりに片方の乳首を軽く摘まむから、レベッカはビクンと背を反らせた。

「…クスクス、やはり素直だ」

「アっ…//」

「どうですか?これより先が欲しいなら…私のボタンを外すことです。……無理強いはしたくありませんから」

「ハァッ…‥そんな、今まで‥…さんざん強引、に…!」

 早くしろ

 そう責め立てる指が、摘まんだままコリコリと、焦れったく優しい刺激をおくってくる。

「ああっ…も…」

 レベッカは彼の銀ボタンに指をかけた。だけど指先が震えて上手くいかない。

「…クロード…! …無理です…外せ ない……」

「──ではこのまま焦らしプレイですか?
 意外にも、あなたは…虐められるのが好きらしい」

 この唇が欲しいだろうと言わんばかりの、乳輪への執拗なキス。彼の方は焦らして虐めるのが好きなようだ。

“ こんなのヒドい… ”

 はずしたい…早くこのボタンをはずしたい…

 彼女の躊躇はいつの間にやら何処かへ消え去る。

 指先に集中しようとして歯を食い縛るレベッカが、クロードにはたまらなく愛おしく思えた。

「…クロード…もう少し…もう少しで外せます…」

「…そのまま、私の肌に触れられますか」

「…っ…ん」

 数個のボタンが外され彼の上着がはだけた。クロードに命じられた彼女は隙間から手を差し入れ、直接触れる。

 その指は鎖骨から胸板へ…恐る恐る滑り降りた。

 服の内側は温かい。

 レベッカはこの時初めて意識した。

 彼の身体も自分と同じように熱くなっている。同じように汗ばんでいる。…そしてその鼓動が、速まっているということを。


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