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略奪貴公子
第13章 目をトジ 声をヒソメテ

「クロード…っ」

 レベッカは彼に触れる手を背中にまで回して、その身体にしがみついた。

 空いた方の手は残りのボタンを外している。

 彼と肌を重ねたい。

 これだけ熱くなっているのなら、どちらがどちらを冷ますこともない。互いの熱でさらに熱く…引き戻せないほど昂(タカ)ぶるだけだ。

 クロードの服を完全に脱がせた彼女は、身体をぴたりと寄せて、現れた胸に頬を擦り寄せた。



 羽根のついた豪華な仮面

 こんなもの邪魔だ

 レベッカはそれを外して捨てていた。



「あなたが意地悪ばかりするから…!…わたしはこんなに……厭らしくなってしまった、の」

「……」


 しがみつくレベッカを見つめる男の瞳は、これ以上ないほどの色気をもって彼女の言葉に答えていた。


「…ッ…ハァ」


 熱い息を、震える喉から重く吐き出す──。

 そして彼女の顎の下に手をいれて上を向かせ、再び強引に唇を奪っていた。



「ええ、上出来です。……私だけの姫よ 」



 そして彼女は男の腕に力強く捕らえられた。




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