この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
略奪貴公子
第15章 人相書き

 レベッカの他にも誰か気付いただろうか。

「父上の他にも、見覚えのある人はいるかな」

 食卓を囲む面々を、エドガーが順番に見ていく。

 …その最後、レベッカと目を合わせてニヤリとした。

“ ……駄目だわ ”

 レベッカは目眩(メマイ)がするほど追い詰められ、今すぐ部屋から飛び出したかった。

“ エドガー様は気付いている。怪盗の正体も、わたし達の関係すらも…….! ”

 気付いたうえで楽しんでいるのだ。

 落とした物の代わりに新しく渡されたスプーンを持つ手が震えて、カタカタと音がなってしまった。




 ──



「奥様の体調がすぐれないようですね」

「……っ」

 クロードと瓜二つの人相(ニンソウ)書きを前にして気分が悪くなったレベッカに

 ふいに、召使いのひとりが声をかけた。




 グラスに水を注いでいた彼は、そう言ってレベッカの顔を覗き込む。

“ この人は……! ”

 レベッカは目を丸くした。

 他の召使いと同じ制服に身を包む彼は、プラチナブロンドの髪にグリーンの瞳……。

 そう、クロードの付き人、レオだったのだ。

 どうして??と喉まででかかった言葉を呑み込む。

 レオの冷静な目は、何も口走るなと無言で伝えてきた。

「そうだな…レベッカの顔色が悪いようだ」

 公爵、ベノルトがそれに続いて呟く。

「誰か彼女を部屋で休ませてやりなさい」

「では私めが、奥様を寝室にお連れします」

 公爵に命じられたレオが彼女の椅子を引いた。

「え…??」

 レベッカは何がなんだかわからなかったが、とりあえずはレオに従うのが得策だろうということで、大人しく立ち上がることにする。

 少し面白くなさそうな顔をしたエドガーだったが、黙って彼女を行かせた。




/274ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ