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略奪貴公子
第17章 ほどかれた真実
「……っ」
彼はそこまで深く考えて…
それなら──
“ あの夜わたしに姿を見られたのも、やっぱりわざとやったことなのかしら…? ”
思えばクロードほどの男が、テラスに立つレベッカの存在に気が付かなかったなんて思えない。
....
「…でも困ったな」
「──…」
「クロードさまは、このお城に狙っている宝物があったんだ。なのに近づけないんじゃ…っ
…………あ」
「…!」
カミル?
今の言葉はどういう意味──?
「…カミル」
「…っ」
「何て言ったの? 今──」
「……ごめん、ごめんねレベッカさま」
口を滑らせたカミルは謝り始める。でも──もう遅かった
「…っ…ごめんね、これはレベッカさまには言っちゃダメなことだったんだ」
「……っ」
レベッカにだってわかった。
これは、彼女が聞いてはいけないことだ。
「クロードさまが言ってたんだ…話しちゃ、ダメなんだって…っ」
「──カミル?」
「……っ」
「お願い…っ、詳しく教えて…!クロードが狙っている宝って、何のことなの…!?」
上っつらの言い逃れができない。
子どもの純真さというものは、時に残酷なものだった──。