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略奪貴公子
第18章 退屈な少年

「…つまらない?」

 レオが聞き返す。

「君は新しくこの屋敷にきた、私の世話役だろう?父上から聞きましたよ」

「その通りです…。私はクロード様の身の回りのお世話をさせていただく、レオと申し…」

「──そんな挨拶は必要ない」

 クロードがレオの言葉を遮った。

 そして手前のピアノの椅子を引き出すと、 彼はそこに座り直す。

 レオを軽く見上げながら…余裕たっぷりにその美少年は笑ってみせた。

「世話役を任されたのなら…もっと私を楽しませてくれないかい」

 試すような笑みを浮かべて──

「……」

「そんな無表情でただ立っているだけでは、全く面白くないですから」

「…何をすれば宜しいのですか?」

「…ふっ、それは君が自分で考えてください。私を楽しませる何かをね」

 なるほど……そういうことか、と、レオはわずかに眉を潜める。

 ──手のかかる子?

 ……悪趣味な子供というわけか


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