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略奪貴公子
第19章 口止め

「…痛っ」

グッ....

そして引き寄せた。

 二人の距離があっという間に縮まり、息を殺した緊迫した空気が、引き寄せられた身体を凍りつかせた。

「…強情ですよ奥様」

「…ッ、……!!?」

「──…女性が最も素直になるのは、男に組みしかれた時ですかね…」

 口許を耳に寄せて囁かれた。

 その低音の声が、硬直した全身の肌を一瞬で栗立たせる。

 何を言ってるの?

 この年下の男の言葉が理解できなくて、夫人はなんの抵抗もできずにいた。

 手首を痛いほど握ったまま、レオはそんな夫人の腰をとって部屋の奥に押し込んでいく…。

「──…何を?…ッ…する気?」

「……」

 部屋の奥に構えるのは、シルバー地のシーツが敷かれたベッド。

 気づけばそのシーツに頬をつける形で押さえ込まれていた。

 片手の手首は拘束されたまま、身体の後ろで固定されていた。

「……このような夜更けに男を部屋に連れ込んだ、これくらいの覚悟はおありなのでしょう」

「ッ…や、や…!」

 突きだした尻をそっと包んだ男の手──。

 次の瞬間、寝衣の薄いドレスが捲られ冷たい空気がじかに下半身に伝わった。

「…しん…じられない…!」

 この青年の狙いはわかった。

 わかったけれど、信じられない。

 十以上も歳の離れた男に、今、襲われようとしている…!?

「わかっていますの!?自分が何をしているのか…っ」

「──…」

 夫人の悲鳴に答える代わりに、レオは自分の指を口にくわえ、そこにねっとりと唾液をつけ、剥き出しにした夫人の秘部に滑り込ませた。


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