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略奪貴公子
第20章 揺れる想い

 その数週間後、ベノルト様が留守のときを狙って

 わたしの前に現れては──


『 可愛らしいですね若き公爵夫人。
 このまま連れ去ってしまおうか…… 』


 わたしの部屋に忍び込んで…


『 安心なさい、ここは花畑……恥ずかしがらず
 あなたも内なる花を咲かせればよいのです 』


 森の奥、菫の花の咲きみだれる場所で…


『 ここを真に美しい場所へと変えて頂けませんか?
 私とともに……レベッカ 』


 お忍びで行った仮面舞踏会で手をとりあい

 そして


『 上出来です……私だけの姫よ 』


 狭く薄暗い馬車の中で、互いを激しく求めあった。




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