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略奪貴公子
第21章 脅迫者

「……!?」

 その指が、顎から頬を撫であげる。

「クロー…ッ」

 この触れ方…

 “ ち、違う ”

 違う、クロードじゃない

 それを直感した瞬間、気味悪さがいっきに加速したレベッカは慌てて目隠しを取った。

「──誰ですか!?」

「……ちっ、このまま勘違いしておけば面白かったのに」

「…!?あなたは…エドガー様?」

 真夜中の寝室に侵入しレベッカを見下ろしていたのは、なんとエドガー公爵子爵だったのだ。



 それに気付いたレベッカから最初にもれたのは悲鳴だった。

「ひっ…」

「その反応は傷付くなぁ」

「な、なにを…!ここで何をしているのですか!?」

「シッ、声をおさえろ」

「んぐぅ…!」

 口を抑えられて声がこもる。

“ 怖い……! ”

「……ん、んんっ」

「……ふふ、はは、でもこの顔はいいね、ありだ。男を煽るのが上手いね?レベッカ」

 声を封じられ、のしかかられているから身動きもできず……、怯えの色を浮かべるレベッカに、興奮した様子でエドガーが笑う。

 何がそれほど面白いのか理解できない。

 エドガーの片手が彼女から布団を剥ぎ取り、這い回ってくる……。恐怖と嫌悪が同時に膨れあがったレベッカは、両手をがむしゃらに使って抵抗した。


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