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略奪貴公子
第21章 脅迫者

「…っ…おいおい、歯向かうなんて流石だな。初夜で父上に爪を立てたときから成長してないみたいだ。──でも、いいのかい?」

「…んくっ…ゃ…!…ゃめ、ん、んん…!」

「俺に逆らわないほうがいいんじゃないか?自分自身と……大好きな " 恋人 " を守る為にも」

「……!?」

「お、静かになったね」

 硬直したレベッカが押し黙ると、男は満足そうだった。

 彼女の弱点を的確についたこのやりとりは…卑怯すぎる。

「大きな声はあげないね?約束できるなら口を解放してやれるよ?」

「……っ」

 こんな脅しをかけてくるなんて

 信じられない。悔しい。

 …でも逆らえなかった。レベッカはじわりと涙を滲ませて

 …諦めたように、ゆっくりと頷いた。




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