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略奪貴公子
第22章 決意の涙
疑いの灯火(トモシビ)にてらされて
愛(エロス)は何処かへ消えてしまった
「──思えばわたしは、いつもクロードを疑って警戒して…そんなふうに接し続けてきた」
「……!」
「だから今度こそ彼を信じたいの…!信じさせて…っ」
呆れられても構わない。
だって愛は目に見えないから…見えないからこそ不安で仕方がないから…
だからわたしたちは確かめたくなる。
愛を示す何かを欲しがってしまうのよ。
「…でもっ…愛は疑いと一緒にはいられないの」
疑えば離れてしまう。
愛することは、信じることよ。