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略奪貴公子
第22章 決意の涙
「…アド…ん…っ」
がっしりと身体を抱き締められる。
彼女の抵抗も意味なく、頭の後ろをアドルフの手が固定して…そして強引に口づけられる。
「…ん…っ──んん…!」
レベッカの腕は二人の身体に挟まれていた。
彼女はその腕で彼の胸を押し戻そうする。
けれどアドルフは離さなかった。
逃れようとするレベッカの身体がのけぞりバランスを崩して倒れそうになるのを、アドルフの腕が支えている。
「…ふッ…ン…っ──…ッッ」
彼が舌をいれようとするのがわかった。
“ アドルフ……! ”
「…ぷはッ、…ゃ…っ……ハァ…ん、んッ…」
口を塞がれたレベッカが、唇の離れたすきに呼吸をしようとすると、今度はその開いた唇の隙間を狙って舌が差し込まれる。
「…ハァ……ぁ……ぁ‥…アドル…フ‥‥!?」
「……っ…」
「…ん…ん、‥‥──!」
クチュ.....
彼女の頭を捉える男の手が……震えているような気がした。
だが抱き締める腕の力はどんどん強く……余裕を無くしていく。
強引に口付けるアドルフは、同じように無理やり舌を絡めていった。
「…ぁぁ‥‥ハァ‥っ‥…んぁ‥‥‥」
「…ハァ…っ」
絡められた彼女の舌は、彼に誘惑されるまま互いの間でさ迷っている。
そこには
どちらともわからぬ唾液が糸をひいていた──。
「…お前のそんな表情は…初めて…だ…」
「…‥っ‥ぅ‥ハァ‥‥ぁ…っ」
「その……声も……!」
激しい口淫に彼女の意識が霞み、倒れそうになる。
脚の力が抜けてしまったのか、脱力した細い身体を、被さるアドルフが抱きかかえている。
「レベッカ…!」
二人の舌がほどけた。
アドルフは熱い吐息のこぼれる唇を、レベッカの喉にそっと落とした。
後ろに仰け反ったレベッカは、もはや彼の手が支えてなければ重たい頭を持ち上げることもできない。
晒された喉元は狙いやすい。
男の熱い舌が這うと、レベッカは弱々しく喘いでいた。
「…ッ…‥‥は、ハァ…‥ハァ……ゃ、ゃめ、て」
....
『 可愛らしいですね、若き公爵夫人── 』
こんなことになるなんて
これは、あの夜とそっくりだ
あの夜にわたしを襲ったクロードが
今のアドルフと重なっている──