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略奪貴公子
第22章 決意の涙
アドルフはこのままどうしたいの?
クロードに無理やり奪われたように…今夜、わたしは貴方のものになるの…?
貴方はわたしのドレスを剥ぎ取るの──?
「…っ…そんな、こと…」
貴方にはできないわ、アドルフ…
「ぁ…ハァ…、アドル フ…アドルフ、…ねぇ、…無理しちゃ、駄目よ」
「──…!?」
「…こんなことしたら、いけないわ…!」
「レベッカ…、許せ…」
「…ううん…ッ…、ハァ‥…
こんな の絶対に…許さない…から……っ」
「──…っ」
アドルフは彼女の首に這わせていた舌をおさめて、眉間にシワを寄せて…苦し気に歯を食い縛る。
額には汗がにじんでいた。
「伯爵には許すのにかよ…!」
睨み付けるようで、それでいて切ない彼の瞳。
それを見たレベッカも悲しい眼差しを向けた。
アドルフは顔を横に向けると、隣のベッドに彼女を仰向けに押し倒す──。
柔らかなシーツがその勢いを吸収し、彼女の身体を受け止める。
「俺はお前を伯爵に譲る気はない…!」
「…っ」
グッ・・・・ッ
彼の手がレベッカの夜着の胸元にかかる。
すでに肩紐をちぎられていた薄いシュミーズは、いとも簡単に、男の力で破かれてしまった。