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略奪貴公子
第23章 硝子の音
そんな騒動に立て続けて、次は怪盗だ。
「こんなことになって困っていらっしゃるわね」
「レベッカ様…?様子を見に行かれますか?」
「──いいえ」
どんな顔をして会えばいいのか
裏切ったのは、自分なのに……。
レベッカは沈んだ表情で、割られた窓を見つめていた。
フワッ
すると小さな花びらがふわりふわりと
空から柔らかく降ってきた
「──…」
ジッ....
「……いつまでそこにいるの?」
「……」
「見張りのつもり?エマ…」
「…、やはり」
動かないレベッカの隣を、片時も離れない──
エマは彼女をじっと見ている。
「やはり城を出るつもりなのですね…」
「……ええ、そうよ」
その真っ直ぐな視線にそむけず、レベッカは正直に白状した。