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略奪貴公子
第24章 怪盗の宝
プチン、プチン
レベッカが服のボタンをひとつづつはずすと、ゆるんだ白のドレスは当たり前のようにストンと滑り落ちていった。
透き通った肌──
下着姿の彼女は、その肌に熱い舌を滑らせていった彼との情事を思い出す…。
そしてレベッカは、クローゼットから取り出した外出着を身に付けた。
この城に来たときも、持ち込んだのは身につけたドレスのひとつだけ。
“ 出ていくときだって同じでなくちゃ ”
ダイヤもお金も、何も持たずに…。レベッカはこの城を去ろうとしていた。
「……よし、準備はできた」
あとはここから逃げるだけ。
上手く逃げ切れるかしら…。
絶対に見つかってはいけない。
わたしには、ここに戻る資格はないから。
ギイッ...パタン
レベッカは寝室を静かに後にした。
夜も遅く、廊下には誰もいない。
レベッカの部屋は2階なので、外に出るにはまず1階に降りなければいけないのだが。ナゼか彼女は、階段を上ることにした。
《 確かめたいことがある 》
もしかしたらそこに、何か大事なことが忘れられているかもしれないから。
コツン、コツン、コツン....
息を潜めて、足音を気にして…レベッカがたどり着いたのは最上階。
──そして、さらに上にある、屋上に出るための扉だった。
フワッ
「───…!」
屋上の扉を開けたとたん
彼女を包んだのは花の香りで、その目に飛び込んできたのは美しい花びらだった。