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略奪貴公子
第24章 怪盗の宝
それはクロードを驚かすには十分で、彼はレベッカに抱き付いたまま動きを止める。
離してというのは本心だった。
誰もいない屋上で、その必死な声はクロードだけに突き刺さった。
「怒っているのか…レベッカ」
「…違う…っ、そうではなくて」
「では私を避けるのは何故です?」
「──…」
「私は貴女に嫌われたのですか?
貴女は──私の言葉を疑うのだろうか…」
「…っ!」
──パァン ッ!!!
「‥‥!?‥‥‥つ」
「ふざけ…ないで」
クロードの腕の中で暴れた彼女から、続けて与えられたのは強烈な張り手──。
強すぎる反撃に驚いたクロードはさすがに彼女を解放していた。