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略奪貴公子
第24章 怪盗の宝
「いきなり抱きつくとか…勘弁してください」
「……何故?」
「自覚してよ!こっちは心臓がいくつあっても足りないんですから……!」
「そ、それは…」
「本…当…に、顔を見ただけで…………」
こんなに──
「──…っ」
レベッカは顔を上げる。
ああ…クロードだ
きっと会える、会いに来てくれるって
そうやって信じて、待ち続けて──
夢じゃない…彼がわたしの目の前にいる…!
「──…好き…なの」
「‥‥‥!」
「もう情けないくらい…っ
わたし、あなたのことが好きです……」
でなければこんな再会、もっと怒りが込み上げていい筈なのに…。嬉しさだけで胸がつまりそうなのは、そういうことだ。