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略奪貴公子
第25章 Epilogue──1


「…アドルフ様」


「──…っ」


「レベッカ様は…おひとりで城を出たのではありません…っ」


「あの男…!」


 アドルフはもうエマの顔を見る気にもなれず、激しくとり乱した。

 彼は店先に置かれた箱の鍵を開け、中から細身の剣を取り、剣帯を腰にさげる。

 その剣は、本来は依頼主である伯爵に渡すためのものだった。

 そしてアドルフは隣の酒屋に繋がれた馬の手綱をとる。

「おいっ鍛冶屋の兄ちゃん、それはオレんだ!」

「悪い…必ず返す…っ、金も払う!」

 馬の持ち主が現れたが彼は迷うことなく馬の背に股がった。

 そして馬の腹を強く蹴る──

 人混みにかまわず走らせた。

「道をあけろ、馬が通るぞ! 」

「きゃあっ」

 買い物に夢中になっていた街人たちは、暴走馬に悲鳴をあげて端に寄る。




 店に残されたエマが

 遠退く彼の背を、祈るように見つめていた。







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