この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
略奪貴公子
第25章 Epilogue──1

 街からひたすら馬を走らせ、館中を探した彼はひどく疲れており、後から後から汗がしたたる。

 彼は額のそれを手の甲でぬぐい、深く息をして部屋を見渡した。

 そこにはベッドや書棚などの家具があるだけで、人が住むために必要なものが何一つ見当たらない。

 ──すでに住民は、ここを捨てた後だった。

「…っ…?」

 そうとわかり脱力するアドルフは、部屋の机に置かれた──ある手紙を見つける。

 その机はクロードが普段、本を読むのに使っていたものだ。

 アドルフは最後にそこへ向かい、置かれた羊皮紙を拾い上げた。




 《 Adolof 殿──


  依頼した剣を受け取れず、申し訳ない。


  Claud─Michel・Geofrroy・de・Bourgeat 》




 したためられていたのは、そのひと言。

 手紙の内容はそれで終わっていた。




....




「──それだけかよ!」

 アドルフが大きな舌打ちとともに吐き捨てる。

「…ハァ…ハァ、く…ッそ…!」

 最後までからかいやがって…!

 彼の脳裏にクロードの顔が浮かぶ。結局、眼中になかったのか。俺は……!


《 …まだ子供だ 》


「…っ」

ギリッ.....!

 あいつに言われた言葉がいちいち俺の腹をえぐる。

 …あの澄まし顔も、すべてが気にくわない。


 “ 俺はもっと…っ、あんたに言いたいことがあったんだ…! ”


 あんたが俺に言い残したのは
 たったこれっぽっちなのかよ──



/274ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ