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略奪貴公子
第26章 Epilogue──2

「顔色が……悪いですね。どうしました?」

「……ぁ、いえ……!なにも……!」

「…なるほど?」

 そして複雑な表情のレベッカを覗きこむと、やれやれといったぐあいに口の端で微笑む。

「──来なさい…レベッカ」

 クロードは彼女の腰に手を回して、部屋のソファに腰掛けると、その上に座るように彼女を促す。

 レベッカは恥ずかしそうに顔を赤くしたが、あきらめてちょこんと彼の膝に座った。

「それで?何があったのか正直に言えますね?」

「……わたし、ここにあった肖像画を見てしまって」

 自分の膝に座るレベッカの栗色の髪を撫でながら、クロードは優しく問いかけていた。

 いよいよ誤魔化せないレベッカは、白状するしかない。

「その肖像画の女性が…──あなたがずっと行方を探していた人なのだと、知って」

「……。…誰に言われた?」

「レオです」

「……………あいつか(ボソッ)」

「ごめんなさい、わたしが関わるべきことではないのに」

「──…」

「と…とても綺麗な方でっ……少し驚いてしまって」

 彼女の声が徐々に小さくなってゆく。

 やはりショックを隠せない
 だってあんなに美しい人が──


「…ふっ」


 困惑する彼女を愛おしそうに見つめ、クロードが語りかけた。



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