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略奪貴公子
第5章 キケンな訪問者

 そんなエドガーが自分に向けてくる視線の危うさを、レベッカは嫌でも感じざるをえなかった。

 今だって…ベッドにつく前の無防備な姿をじろじろと見られて、居心地が悪い。

「夜遊びもほどほどになさいませ」

「待ちなよレベッカ」

「なんでしょうか…っ、お離しください」

「そんな警戒しないでよ」

 上面(ウワツラ)だけは優しそうな表情をして、その実(ジツ)、よこしまな心が隠せていない──。

 まがりなりにもレベッカは父親の妻だというのに。こうして触れてくるだけでも信じられなかった。

 不快に思うレベッカの気持ちに気付いているのかどうなのか、彼はとにかく距離感がおかしい。

 エドガー公爵子息は、顔を近付けて彼女に囁いた。

「花嫁姿のあんたは最高にイイ女だったけど──…今の感じも、悪くないね?」

「…ッッ…部屋に、戻ります」

 ゾクリと悪寒が走り、思わず乱暴に手を払ってしまう。

 彼女は逃げるようにその場を去った。



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