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略奪貴公子
第5章 キケンな訪問者

 脱がされたガウンの下には、絹製の薄いシュミーズを着ているだけだ。

「舌を噛み切られまいかと心配したが」
 
 その必要はなかったようですね?

 クロードはなおも囁きながら、薄い夜着越しに彼女の身体に指を這わせた。

「…っァ……ゃ……ッ!」

「抵抗するならそれで結構。私も、そのつもりでやりますから──」

 戸惑うレベッカは、震える声で彼を制し、震える手で彼の腕を掴む。

 しかし男の指が布越しに身体を滑る感覚に、彼女の肌はぞくりと栗立ち熱を帯びる。

 これは恐怖か嫌悪か……。それすらも分からないけれど、早く逃げないとこのままでは……。

「……ひゃ…ア…っ//」

...チュッ

 ぐずぐずしている内にシュミーズの肩紐を外され、露にされた肩の肌に彼の唇が吸い付いた。

「い…や…」

 許さない

 こんなこと……

「…ハァ…っ……許さない……からぁッ……ん、ん」

 レベッカは悔しげに唇を噛む。

 しかし乱れた呼吸がその隙間から漏れてしまうのを防ぐことはできなかった。

 男の手は躊躇(チュウチョ)なく、彼女の胸にかかり、柔らかな膨らみを包み込みながら優しく揉んだ。

「……ぁぁッ…やめて……、お願、い……!」

 悲鳴にも似た声で彼女は懇願する。

「…お願い、です……クロード……!」

“ 嫌なのに、こんなこと許せないのに、わたしの身体──っ ”

 身体の奥から沸き上がる得たいの知れぬ感覚に、レベッカは戸惑い…そして怯えた。

「可愛らしいですね、若き公爵夫人。…随分と初々しい反応を見せてくれる」

 肩紐をはずされ緩んだ胸元の布をずり下ろし、片方の乳房を露にすると、彼はそこに舌を這わせた。

「──!…アッ…//」

 それに合わせて彼女の身体がビクンと跳ねる。

 押し返そうとしていた腕が怯えたように引っ込む。

 ──その反応を男は楽しんでいるようだ。


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