この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
略奪貴公子
第6章 外界へのエスコート

「あの…っ、うちのメイドにいちいち色目を使わないでくださる?」

「……?」

 スープを一口飲んだ彼は、彼女の声に応えてスプーンを置いた。

「色目とはおかしなことを。…可愛らしいお嬢さんを前にして、自然と笑みがこぼれるだけです」

「──どうせわたしは可愛くありませんしね」

「それは誤解ですよ」

 なにが誤解…っ

 わたしに対してだけ態度を素っ気なく変えるくせに。

「あなたにも微笑みかけるように心掛けた方がよろしいですか?」

「…っ、いりません」

 彼の本性を知った今、無意味に微笑まれても余計に腹が立つだけだ。

 むすっとした顔で食事を再開したレベッカを、クロードは頬杖をついて覗き込む。

「──…」

「──なに?なんですか?」

 覗き込まれたレベッカは鋭く睨み付けて返した。

 対してクロードは、余裕たっぷりの表情で口を開いた。

「そのように不貞腐れなくとも……先日のあなたはとても可愛らしかったですよ」

「…先日?」

「先日…あの夜──」

「……!」

 レベッカの顔が一瞬でひきつる。

「だ、黙ってください!」

 そして思わず声を荒げた。

 同時に、押さえつけていた感情がふつふつと沸き上がってくる。

 あの夜の屈辱、羞恥、怒り──

 この男の恐ろしい本性と

 忘れたいほど淫らな自分……。

 それらを掻き消そうとするかのように、レベッカは右手を振り上げ、隣に座る男の頬を叩こうとしていた。


/274ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ