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略奪貴公子
第6章 外界へのエスコート
そして成立した。
「エマ、わたしたち今から庭園の散策に出掛けることにしましたの」
「今すぐでございますか?」
「ええ、公爵夫人にしばしお付きあい願いたく…。お許しを頂けますか?」
「もちろんレベッカ様がいいと仰るならっ、私どもに止める理由などございませんが…?」
「悪いわねエマ。まだ運ばれてない残りの朝食は、みんなで食べてもらえるかしら?」
朝食はまだ前菜とスープしか食べていない。メインとデザートも用意されているだろうから、メイド達に食べてもらおう。
「それはみんな喜ぶでしょうね。えっと…では、行ってらっしゃいませ」
召し使いたちの質素な食事に比べたら、レベッカの朝食はご馳走だ。とくに問題はないのだが
「…行きましょう伯爵」
「ええ、公爵夫人」
やはり納得できない。さっきレベッカ様が伯爵を叩こうとしていたのは見間違えじゃなかったはず…。
もやもやが晴れないが、エマは席を立った二人を見送った。