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略奪貴公子
第7章 花ヒラク乙女

「…‥ふァ‥ァ、ああ…ん、あっ…あっ」

「…っ…」

 ナカを前後する彼は、突くというより、掻き回す動き。熱くなった柔肉を掻き撫でる動きだった。

グチュ、グチュ....ッ グチッ... !

「…‥ん…ん…// ぁぁ‥、あっ、あっ、あ…ッ」

 レベッカは小刻みに喉を震わせて喘ぐ。

 クロードは──そんな彼女を熱っぽく見下ろす。

「…アっ…ハァ、ぁぁん…あっ、あっ、あっ…!」

 もう、魔法にでもかかってしまったみたいだ。

 脳がクロードに支配されている。

 彼に貫かれるこの感覚が、凶悪なまでに心地いい。

 時おりついばんでくる彼の唇を、もっと欲しくて仕方がなかった。

 喘ぐレベッカは横を向いた。

 目の前でちらつくのは菫(スミレ)の花びらだった。

 “ わたしの瞳と同じ、薄紫の──… ”

サラサラ....

 揺れる花びらのその音。

 被さるクロードの乱れた金糸の髪が、同じ音をたてている。

「…はぁっ…アっ、はぁ、ああ、ああっ‥//」

 けれど、次第に激しくなる律動に比例して大きくなる女の媚声が、それらの音を掻き消し、二人の周りを包んでいった。


「…っ…その調子だ」


「……んぁっ」


「余計なことは…忘れていい。今の、貴方は…──公爵夫人では…ないのですから」


 その為に、城の外──此処へ連れてきたのです。


 だから今は、何に惑わされることもない。


 男と女が抱き合うならば 、その時間は、互いをひたすら求めるのみだ──。



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