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略奪貴公子
第8章 再会

「遠いお家から、どうしてわざわざこの城に来たの?」

「食べ物をはこんでる荷車に隠れるんだ。でね、今日はね、クロードさまに会いにきたんだよ」

「──クロードに?」

 彼の名前が出てきたせいで、レベッカの表情に変化がおこる。

 そしてカミルは、その変化に気がついた。

「ん、どうしたのレベッカさま」

「な…なんでもないのよ。…それより、何故クロードがここにいると思ったの?」

「それはね…」

 カミルが話すには、クロードの別荘が彼等の村のすぐ近くにあるそうで、そこに行ってもクロードがいなかったので、彼がよく出かけるこの城にいると思ったらしい。

「でも来てないんだ~。なぁんだ、せっかくここまで来たのにな」

「残念だったわね…」

 遠かったろうに、無駄足と知ればがっかりだろう。

「帰る前に、お菓子くらい食べていく?内緒でメイドに頼んであげるわ」

「お菓子?」

 キラーン

 カミルの目が光った。


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