この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
略奪貴公子
第8章 再会
「遠いお家から、どうしてわざわざこの城に来たの?」
「食べ物をはこんでる荷車に隠れるんだ。でね、今日はね、クロードさまに会いにきたんだよ」
「──クロードに?」
彼の名前が出てきたせいで、レベッカの表情に変化がおこる。
そしてカミルは、その変化に気がついた。
「ん、どうしたのレベッカさま」
「な…なんでもないのよ。…それより、何故クロードがここにいると思ったの?」
「それはね…」
カミルが話すには、クロードの別荘が彼等の村のすぐ近くにあるそうで、そこに行ってもクロードがいなかったので、彼がよく出かけるこの城にいると思ったらしい。
「でも来てないんだ~。なぁんだ、せっかくここまで来たのにな」
「残念だったわね…」
遠かったろうに、無駄足と知ればがっかりだろう。
「帰る前に、お菓子くらい食べていく?内緒でメイドに頼んであげるわ」
「お菓子?」
キラーン
カミルの目が光った。