この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
略奪貴公子
第8章 再会


ガサッ ガサッ


「んっと…」

“ この辺りでいいのかしら ”

 中庭は隠れるには狭すぎる。

 渡り廊下をひとつ隔てた、前庭の方向にレベッカは足音をたてないように移動した。

 途中の木の影に身を潜め、背中越しにカミルの様子を伺う。

「……」

にじゅういーち

にじゅうにーい

「……」

にじゅうさーん、にじゅうし

「──…」

にじゅうご~




──その時だ




「──!!…っんんッッ」

 木に背をつけて背後のカミルを見ていた彼女は、前方から現れた何者かに、口を塞がれて木に身体を押さえつけられた。




 それは突然すぎる出来事で

「……んッ…っ…んんんー!」

 驚きと恐怖に縮こまったレベッカは、目をかたく閉じて、塞がれた口で精一杯、助けを求める声をあげた。

「……んっ、んんー!」

こもった悲鳴

「──…静かにしろよ」

「……っ」

「見つかったら不味いんだろ?…あのガキに」

「………!?」


 この、声は──?

 その声は、鼓膜を震わす低音で──。

 恐る恐る、目を開けるレベッカ。


パチッ.....!


「──…!」


 目の前の彼は近すぎて、その顔をよく見ることができない。

 見えるのは、彼の着ている白地のシャツと、ざっくりとあいた衿(エリ)からのぞく厚い胸板…。


「…口塞いでる手、どかして欲しいか?」


「……コクリ」


 懐かしくてしかたない──幽かな鉄の匂いがその男から香った。



/274ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ