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略奪貴公子
第8章 再会

「──きちんと、謝ってよ」

「…面倒くさい」

 これら一連の流れもまた、懐かしい二人のやり取りではある。

 アドルフは面白くなさげにそっぽを向いた。

「…ったく、こんな所までわざわざ来てやったってのによ」

「そう、それです!それについて一番聞きたいわ。…なんでここに?仕事は?オイレンブルクは?」

「質問攻めはよせ」

 そして溜め息をついた。

「嫁いで少しは淑やかになってるのかと思ったら……はぁ、何も変わってないなお前──…、…お」

 不平を言うアドルフ。

 しかしレベッカの顔に視線を戻したとき、彼は言葉を不意に途切れさせた。

「──…」

「……、…なに?」

「へぇ…、なるほどな」

「……っ」

 ぐいと顔を近づける。

「顔つきが変わったな、レベッカ」

「…顔つき?」

「大人らしく…いや…女、らしく…変わったように見える」

「なに、それ……//」

「何かあったか?」

「…なにって…例えば?」

「例えばそうだな……」


《 恋でも、したとか 》


「……っ」

 レベッカはゴクリと唾を呑む。

「なんだ図星か?」

 形勢、再逆転。アドルフの口許にイタズラっぽい笑みが浮かんだ。



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