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二重生活
第14章 夢のあと
「今夜は、朝まではちょっとダメだと思うの……」
「旦那さん帰ってくる前まででもいい。ちゃんと帰すから。鞠香さんが困るようなことはしないから。
だから……それまでの時間、ちょうだい」
断れるはずなんてなくて、鞠香は躊躇いながらも頷いた。
また二人で会えるんだ、その喜びがすぐに胸を満たしてしまったから……。
お店で改めて見る彗君は、やっぱり素敵だった。
何かの作業に没頭しているときは、氷の花のような繊細で透明で、息をひそめて見ていたいような美しさがあった。
女性客に話しかけられることも多く、そんなときは野の花のような、親しみやすく健やかな美しさがあった。
こんな素敵な人と、肌を合わせてしまったんだ……思い出すだけで頬が熱くなってしまう。
本当に、夢みたいな時間だった。
「なんで赤くなってんの?」
いつの間にか彗君が隣にいて、
「……なっ、なってない!」
ムキになると、彗君は吹き出しながら「そかそか」と言って、奥へ入っていった。
こんなに舞い上がっていたら仕事にならないかも……
鞠香は、気持ちを切り替えると、テラス席のテーブルを拭きに行った。
「旦那さん帰ってくる前まででもいい。ちゃんと帰すから。鞠香さんが困るようなことはしないから。
だから……それまでの時間、ちょうだい」
断れるはずなんてなくて、鞠香は躊躇いながらも頷いた。
また二人で会えるんだ、その喜びがすぐに胸を満たしてしまったから……。
お店で改めて見る彗君は、やっぱり素敵だった。
何かの作業に没頭しているときは、氷の花のような繊細で透明で、息をひそめて見ていたいような美しさがあった。
女性客に話しかけられることも多く、そんなときは野の花のような、親しみやすく健やかな美しさがあった。
こんな素敵な人と、肌を合わせてしまったんだ……思い出すだけで頬が熱くなってしまう。
本当に、夢みたいな時間だった。
「なんで赤くなってんの?」
いつの間にか彗君が隣にいて、
「……なっ、なってない!」
ムキになると、彗君は吹き出しながら「そかそか」と言って、奥へ入っていった。
こんなに舞い上がっていたら仕事にならないかも……
鞠香は、気持ちを切り替えると、テラス席のテーブルを拭きに行った。