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二重生活
第15章 スピカ
「くしゅん!」
もう春とはいえ、まだ夜は少し肌寒かった。
くしゃみをしたら、彗君が肩を抱き寄せて二の腕をさすってくれた。
年下なのに、末っ子なのに、面倒見がいい男の子。
さりげない優しさに触れるたびに、どんどん惹かれていく……。
「けっこー寒いよね、ビールじゃ体冷えちゃう。鞠香さん、熱燗飲もっか」
手を引かれて再びコンビニに入った。
「熱燗なんて売ってるの?」
「まーいいから」
楽しげに笑って、カップ酒をレジへ運ぶ。
そして、会計を済ませると、パカッと蓋を開けて電子レンジにそれを入れたのだった。
「チンするの!?」
「そ。レンジが置いてあるの、熱燗のためって知らなかった?」
「絶対違うよね?」
そんなやり取りをしている間にチンと音がして……。
思いもよらない方法で熱燗を飲めることになった。
熱々の日本酒が、お腹のなかからじんわりと体を温めていく。
「なんかポカポカしてきたよ」
「うん。ほっぺたピンクになってきてる。それに、鞠香さん、酔っぱらいになるとずっとニコニコフニャフニャしてくるから可愛いんだよね」
ふふっと笑って鞠香の頬を触り、「ん、鼻だけ冷たい」と鼻にキスをする。
いつもよりよく笑い、明らかにはしゃいでいる彗君。
「もー! 彗君、お酒臭い!」
鞠香も、いつの間にか一緒にはしゃいだ声をあげていた。
もう春とはいえ、まだ夜は少し肌寒かった。
くしゃみをしたら、彗君が肩を抱き寄せて二の腕をさすってくれた。
年下なのに、末っ子なのに、面倒見がいい男の子。
さりげない優しさに触れるたびに、どんどん惹かれていく……。
「けっこー寒いよね、ビールじゃ体冷えちゃう。鞠香さん、熱燗飲もっか」
手を引かれて再びコンビニに入った。
「熱燗なんて売ってるの?」
「まーいいから」
楽しげに笑って、カップ酒をレジへ運ぶ。
そして、会計を済ませると、パカッと蓋を開けて電子レンジにそれを入れたのだった。
「チンするの!?」
「そ。レンジが置いてあるの、熱燗のためって知らなかった?」
「絶対違うよね?」
そんなやり取りをしている間にチンと音がして……。
思いもよらない方法で熱燗を飲めることになった。
熱々の日本酒が、お腹のなかからじんわりと体を温めていく。
「なんかポカポカしてきたよ」
「うん。ほっぺたピンクになってきてる。それに、鞠香さん、酔っぱらいになるとずっとニコニコフニャフニャしてくるから可愛いんだよね」
ふふっと笑って鞠香の頬を触り、「ん、鼻だけ冷たい」と鼻にキスをする。
いつもよりよく笑い、明らかにはしゃいでいる彗君。
「もー! 彗君、お酒臭い!」
鞠香も、いつの間にか一緒にはしゃいだ声をあげていた。