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二重生活
第17章 in the closet
ドラッグストアで、歯ブラシを買った。
だけど、それ以外のものはやっぱり買えなかった。
クレンジングミルク、洗顔フォーム、化粧水、乳液、美容液、ボディークリーム、ヘアケア、ブラシ、寝る前に使っているものだけでも、ざっとこれだけあった。
普段使いのものを揃えるのは大変で、自分はたくさんのものに囲まれていると改めて感じる。
だけど同時に、歯ブラシと、彗君の家にあったニベアだけあれば充分な気もした。
彗君の家には彗君がいる。
それだけでいいと思った。
それよりも、何かできることはないかな……。
(ご飯を作って、水回りの掃除をしよう)
鞠香は、八百屋に行くことにした。
紀の國屋の上品にきちんと整列している野菜とは違う、ちょっと無骨だけれど生命力に溢れた野菜で、具だくさんのお味噌汁を作ろうと思った。
彗君の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
それだけでいいと思った。
だけど、それ以外のものはやっぱり買えなかった。
クレンジングミルク、洗顔フォーム、化粧水、乳液、美容液、ボディークリーム、ヘアケア、ブラシ、寝る前に使っているものだけでも、ざっとこれだけあった。
普段使いのものを揃えるのは大変で、自分はたくさんのものに囲まれていると改めて感じる。
だけど同時に、歯ブラシと、彗君の家にあったニベアだけあれば充分な気もした。
彗君の家には彗君がいる。
それだけでいいと思った。
それよりも、何かできることはないかな……。
(ご飯を作って、水回りの掃除をしよう)
鞠香は、八百屋に行くことにした。
紀の國屋の上品にきちんと整列している野菜とは違う、ちょっと無骨だけれど生命力に溢れた野菜で、具だくさんのお味噌汁を作ろうと思った。
彗君の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
それだけでいいと思った。