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二重生活
第19章 春眠
モニター画面に映っていたのは……


「沙織!?」

急いでロックを開けた。


しばらくして、玄関のチャイムが鳴り、ドタバタと沙織が入ってきた。

「鞠香~急にごめんね! 昨日はありがとう。 てか、今日ね、急なデートの誘いが入ってね。でも、今日に限ってイケてない洋服できちゃったのよ」

「そうかな?」

「そーなのそーなの! 鞠香様お願い! 洋服貸してもらえない?」

「それは……もちろんいいよ、寝室からクローゼット入れるから、どれでも着ていって」

「ありがとう~大好き! 助かりまーす」

「うん、私あっちでお茶淹れてるから自由に試着してみて」

「ほんと、ありがとう!
てか、なんか、鞠香、格好エッチじゃない?」

「えっ?」

そう言われて、羽織っていたピケのパーカを脱いでいたことに気づいた。
キャミソールとショートパンツは、たしかにいつもの鞠香からは考えられない露出度の高さだった。

先ほどの行為を思いだし、頬が赤らんだ。

「そんな格好してたら、ご主人様もたまらないね」

からかうように言いながら、クローゼットへ消えていく。


(そうだったら、よかったんだけどね……。)

以前、モコモコの気持ちのよい肌触りの部屋着を触って、雄一はポピーみたいだなと笑ったのだ。
可愛い可愛いと言って。

その下につけていた、セクシーなオーバドゥのランジェリーは雄一の目に晒されることはなかった。


そんなことを思い出しながら、リビングへ向かった。
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