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二重生活
第20章 GW
「それじゃ、明後日帰るよ」

明け方、ゴルフバッグをトランクに入れ終えた雄一は、いつものように元気な声で言って出ていった。

「うん。いってらっしゃい。私は、のんびりしてる」

カチャン
ドアが閉まる。



瞬間、時間が動き出す。

バスタブにゆっくり浸かり、念入りに化粧をして、髪を巻いて、前日に買った洋服と靴をおろした。
それから、クローゼットに隠していたボストンバッグを取り出した。


彗君は、着替えを持ってきてと言っていた。
二日間、ずっと一緒にいようと。

次の日の仕事のことも気にせず、彗君の家に泊まれると思うと幸せだった。
ポピーに服を着せ、キャリーに入れた。


そのとき、チャイムが鳴った。
モニターには、大好きな人の顔が映っていた。





エントランスを走ったのは、初めてだった。

新緑をバックに、照れくさそうに爽やかに笑った顔を、一生忘れないと思った。

私の瞳は、彗君を一瞬で焼き付ける。

「行こっか」

「うん」

太陽の下、手は繋げないけれど、隣を歩けるだけで充分だった。


「鞠香さんを独り占めできると思うと、すげー嬉しい」

「私もだよ。彗君の家に泊まってもいいの?」

「ん……。今日…………さ、
温泉行かない? 鞠香さんの好きなとこ行って、家でもいいかなって思ったんだけど。せっかくの連休だから」

「温泉!? すごく嬉しい……。予約してくれたの?」

「そっス……。いや、俺が鞠香さんとお風呂入ったり、セクシーな浴衣姿見たかっただけなんだけどね」

「ふふ」

「ほんとは、電車乗る直前でサプライズしよーとして隠していたんだけど、俺が浮かれすぎてて隠せなかった」

照れながら言う彗君が可愛くて、思わず腕に抱きついた。

「ありがとう!」

初めての旅行……。
恋人同士みたいに、手を繋いで歩けるんだ……。
鞠香は、高まる鼓動を押さえられなかった。
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