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二重生活
第21章 encounter
「……リョウ君……。やめて」

小声で言い、抵抗する。

「なんで?」

「なんでって……。私はリョウ君の彼女でもなんでもないの」

「ねぇ、鞠香。今の状況わかってる?
男四人いて、鞠香はバスタオルだけ。俺がこれ外したら、裸になっちゃうよね。可愛い乳首見せたら、さすがにみんな我慢できないと思うけど」

「……イヤ」

「じゃー、おとなしくしてて」

濁り湯の中で、ぷるんと乳房がこぼれる。
リョウ君の指が乳首を擦り、剥き出しの腕や太ももを滑っていく。

「……やめて」

「やめないよ。さっき、鞠香のこと見つけて、運命感じた。このソソる身体も、顔も声も、ドストライクだって前に言ったよね?」

ついにバスタオルの中へ侵入した指が、割れ目をなぞった。

「……ンッ」

「そんなやらしい声出したら、気づかれちゃうよ」

蜜をすくって、指を舐め、

「おいしい……思いきりむしゃぶりつきたいよ……」

妖しく笑うリョウ君。

肌をチロチロと舐められるたび、小刻みに震えてしまう身体……。
唇が耳たぶにふいに押しあてられ、中を掻き回す速度が速くなる。うなじに、チクンとした痛みが走った。

「……お願い……やめて……イヤ……」

(みんな……こっちを振り向かないで……気づかないで……)

お尻に感じるリョウ君のものは、とても硬くて……、
ゆっくり10秒我慢して、

「な、なんか! 私、のぼせやすいから先出るね!」

そう言って立ち上がった。

「えー! もうですか? 入ったばっかなのに」
みんなが、振り向く。


「夕食で飲んだお酒がまわっちゃったみたいで……」

「そうですか……。ゆっくり休んでくださいね」

「ありがとう。み、みんなも……」



「ざーんねん。じゃー鞠香。

またね」



曖昧に微笑んで、脱衣場へ向かった。

(彗君、ごめんなさい)



鏡に映った身体。うなじには、あの花見のときのように、キスマークがつけられていた。
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