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二重生活
第3章 CAFE a.m.
少し緊張した面接は、ものの1分で終わった。
オーナーはとても気さくというか豪快な人で、「美人、OK。で、暇?」「はい……」「じゃあ、明日からよろしく!」という会話だけで、鞠香は採用になったのだ。
ホールスタッフは、彗くんと、大学生の直人君、読者モデルをしている21歳の彩名ちゃん。
基本的に彗君が任されていて、鞠香は早番、直人君と彩名ちゃんが遅番だということだった。
みんな一緒に働く機会は多くなさそうだけど、とても素敵なメンバーだと思った。
直人君は、賑やかで明るいお調子者で、まるで沙織みたい。
彩名ちゃんは、お人形みたいに可愛くて、女子力が高そうな今どきの女の子。
そして彗君は、25歳で鞠香の4つ下。自分のお店が持ちたくて、ここで学んでいるといった。
彗君はホールだけではなく、キッチンでも働いていた。
「ここの料理、すごく美味しいんですよ」
彗君の言葉通り、翌日、鞠香はいたく感動させられていた。
まかないも、味見をさせてもらった料理の数々も。
雄一に連れられ舌が肥えているはずなのに、新鮮な驚きを感じるほど、どれも美味しくて、メニューを見ているだけで楽しくて、すぐにすべて覚えてしまった。
(今度、しっかりレシピを教えてもらって、雄一に作ってあげよう……)
そう考えながら、ふとカウンターを見ると、彗君がコーヒーを淹れているところだった。
流れるような作業は、優雅で美しく、柔らかに差し込む陽射しの中で、彗君だけが浮かび上がっているように見えた。
綺麗……。
そう思い、慌てて(何考えてるの)とそれを振り払い、テーブルを片付けはじめる。
いつも家でしていることなので、仕事をスムーズにこなせて、鞠香はほっとしていた。
それに、このお店は本当に居心地がいい。
リビングでくつろぐかのように、思い思いの時間を楽しんでいるお客さんを見ていると、我が家を思い出す。
私の居場所。
オーナーはとても気さくというか豪快な人で、「美人、OK。で、暇?」「はい……」「じゃあ、明日からよろしく!」という会話だけで、鞠香は採用になったのだ。
ホールスタッフは、彗くんと、大学生の直人君、読者モデルをしている21歳の彩名ちゃん。
基本的に彗君が任されていて、鞠香は早番、直人君と彩名ちゃんが遅番だということだった。
みんな一緒に働く機会は多くなさそうだけど、とても素敵なメンバーだと思った。
直人君は、賑やかで明るいお調子者で、まるで沙織みたい。
彩名ちゃんは、お人形みたいに可愛くて、女子力が高そうな今どきの女の子。
そして彗君は、25歳で鞠香の4つ下。自分のお店が持ちたくて、ここで学んでいるといった。
彗君はホールだけではなく、キッチンでも働いていた。
「ここの料理、すごく美味しいんですよ」
彗君の言葉通り、翌日、鞠香はいたく感動させられていた。
まかないも、味見をさせてもらった料理の数々も。
雄一に連れられ舌が肥えているはずなのに、新鮮な驚きを感じるほど、どれも美味しくて、メニューを見ているだけで楽しくて、すぐにすべて覚えてしまった。
(今度、しっかりレシピを教えてもらって、雄一に作ってあげよう……)
そう考えながら、ふとカウンターを見ると、彗君がコーヒーを淹れているところだった。
流れるような作業は、優雅で美しく、柔らかに差し込む陽射しの中で、彗君だけが浮かび上がっているように見えた。
綺麗……。
そう思い、慌てて(何考えてるの)とそれを振り払い、テーブルを片付けはじめる。
いつも家でしていることなので、仕事をスムーズにこなせて、鞠香はほっとしていた。
それに、このお店は本当に居心地がいい。
リビングでくつろぐかのように、思い思いの時間を楽しんでいるお客さんを見ていると、我が家を思い出す。
私の居場所。