この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
二重生活
第3章 CAFE a.m.
少し緊張した面接は、ものの1分で終わった。

オーナーはとても気さくというか豪快な人で、「美人、OK。で、暇?」「はい……」「じゃあ、明日からよろしく!」という会話だけで、鞠香は採用になったのだ。

ホールスタッフは、彗くんと、大学生の直人君、読者モデルをしている21歳の彩名ちゃん。
基本的に彗君が任されていて、鞠香は早番、直人君と彩名ちゃんが遅番だということだった。
みんな一緒に働く機会は多くなさそうだけど、とても素敵なメンバーだと思った。

直人君は、賑やかで明るいお調子者で、まるで沙織みたい。
彩名ちゃんは、お人形みたいに可愛くて、女子力が高そうな今どきの女の子。

そして彗君は、25歳で鞠香の4つ下。自分のお店が持ちたくて、ここで学んでいるといった。
彗君はホールだけではなく、キッチンでも働いていた。

「ここの料理、すごく美味しいんですよ」

彗君の言葉通り、翌日、鞠香はいたく感動させられていた。
まかないも、味見をさせてもらった料理の数々も。
雄一に連れられ舌が肥えているはずなのに、新鮮な驚きを感じるほど、どれも美味しくて、メニューを見ているだけで楽しくて、すぐにすべて覚えてしまった。

(今度、しっかりレシピを教えてもらって、雄一に作ってあげよう……)

そう考えながら、ふとカウンターを見ると、彗君がコーヒーを淹れているところだった。
流れるような作業は、優雅で美しく、柔らかに差し込む陽射しの中で、彗君だけが浮かび上がっているように見えた。

綺麗……。
そう思い、慌てて(何考えてるの)とそれを振り払い、テーブルを片付けはじめる。

いつも家でしていることなので、仕事をスムーズにこなせて、鞠香はほっとしていた。
それに、このお店は本当に居心地がいい。

リビングでくつろぐかのように、思い思いの時間を楽しんでいるお客さんを見ていると、我が家を思い出す。

私の居場所。
/206ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ