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二重生活
第23章 毒りんご
「……リョウ君。お願いがあるの」
「何? 鞠香のお願いならなんでも聞くよ」
「この前……温泉で会ったことを言わないでほしいの」
「旦那と、一緒じゃなかったの?」
「一人旅だった」
「ふーん、そう、わかった」
リョウ君は妖しく笑って、鞠香の唇に色づいたワインを指で拭った。
しばらくして、雄一が到着した。
「言ってなくてごめんね」
「いいよいいよ。楽しい夜になりそうだから」
雄一は朗らかに言い、リョウ君が、
「さすが、余裕ある大人の男って感じですね。かっこいいなぁ。鞠香さんは幸せですね」
と言いながら、メニューを手渡した。
「君も、鞠香と同じ店なの?」
「いえ、系列店で働いています。
今日はいつもいる彗ってやつが風邪で休みで、代わりに入ったんですよ。そのおかげでこうやって皆さんと飲むことができて、ラッキーでした」
「あぁ、彗君」
「知ってるんですか?」
「前にお店に行ったとき、接客してくれたんだ。あのお店は容姿端麗な子達ばかりなんだな」
「客もですよ、沙織っていう人とか」
沙織が、料理を取り分けながら言った。
「ははは。沙織ちゃん、面白いね」
愛嬌たっぷりの沙織は、いつもどこでも人に囲まれていて。
愛されるキャラクターだ。
雄一ともすっかり打ち解け、和んでいる。
「何? 鞠香のお願いならなんでも聞くよ」
「この前……温泉で会ったことを言わないでほしいの」
「旦那と、一緒じゃなかったの?」
「一人旅だった」
「ふーん、そう、わかった」
リョウ君は妖しく笑って、鞠香の唇に色づいたワインを指で拭った。
しばらくして、雄一が到着した。
「言ってなくてごめんね」
「いいよいいよ。楽しい夜になりそうだから」
雄一は朗らかに言い、リョウ君が、
「さすが、余裕ある大人の男って感じですね。かっこいいなぁ。鞠香さんは幸せですね」
と言いながら、メニューを手渡した。
「君も、鞠香と同じ店なの?」
「いえ、系列店で働いています。
今日はいつもいる彗ってやつが風邪で休みで、代わりに入ったんですよ。そのおかげでこうやって皆さんと飲むことができて、ラッキーでした」
「あぁ、彗君」
「知ってるんですか?」
「前にお店に行ったとき、接客してくれたんだ。あのお店は容姿端麗な子達ばかりなんだな」
「客もですよ、沙織っていう人とか」
沙織が、料理を取り分けながら言った。
「ははは。沙織ちゃん、面白いね」
愛嬌たっぷりの沙織は、いつもどこでも人に囲まれていて。
愛されるキャラクターだ。
雄一ともすっかり打ち解け、和んでいる。