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二重生活
第4章 初めて
「めちゃくちゃいい匂いがする!」

興奮ぎみに言う彗君に、乳白色のとろりとしたソースをバゲットにつけて手渡した。
ワクワクしながら見ていると、

「ちょっと……あんま、見られてると食べづらい……」

彗君が照れるから、

「あはは、ごめんね、どうぞ」

鞠香まで照れてしまった。さっきから、ずっと、こんな調子だった。

「いただきます。…………うわ……これ、ヤバい……初めてな感じ」

一口食べた彗君が、本当においしそうにそう言う。
鞠香も魅了された、素材の旨味をダイレクトに出した、大胆でシンプルな美味しさ。

「でしょ?」

「や、ピルピル……想像以上だった」

「可愛い名前して、ね? ソースが沸騰し始めるときに、ピルピルって音がするのが名前の由来なんだって」

「ほんとに? それ、聞いてみたいかも」

笑いながら、どんどんグラスを傾ける。
飲みっぷりのよさは、見ていて気持ちよく、楽しい気分になった。

そのあとは、チキンとシーフードのミックスパエリア。
米一粒一粒がスープをしっかり吸い込んで、ふっくらジューシーで。
高級なサフランを使っているのか、香りも豊かでとてもおいしい。
レモンをたっぷり搾ったパエリアをスプーンいっぱい口に入れて、彗君は「うまい!」と感嘆の声をあげた。

素敵な男の子が、おいしそうに食べている姿は可愛くて、自然と顔がほころんでしまう。

「なんでわらってるの?」

「ううん、楽しいなって思って」

「俺も」

彗君の笑顔に魅了されながら、サングリアを飲み、クレマカタラーナを食べた。
クリームの甘さと、オレンジやシナモンの風味が鼻腔を抜けて、幸せな気持ちになる。
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