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二重生活
第5章 上書き
(苦手だな…)
裏で、ふーっとため息をついていると彗君が来て、
「助けに行こうかと思ったけど、華麗にスルーしたね。さすが、大人の女」
くっくっと笑いながら背中をポンポンとされた。
見られてたんだ……。
フロアへ戻っていく背中に、ちょっとだけ腹がたったので、そのあと彗君がこっちを見てニヤニヤしてきたのをプイと無視した。
これだって、華麗にスルーってことなんだから……。
彗君は、そんな鞠香を見て吹き出している。
そのあとも、その若い団体客は鞠香をターゲットにしたらしく、何かと話しかけてきた。
ワインを、水のように飲み続けているので、そこだけ宴会場のようになっていた。
平日の2時過ぎで、もともとお客さんは少なかったけど、その騒がしさのせいか、気づけばみんな早々と席を立ってしまっていた。
そうなると男の子たちはますますエスカレートし、鞠香への質問はきわどいものになってくる。
呼び方も、すでにまりちゃんになっていた。
「まりちゃーん。旦那さんとエッチしてる?」「年下なしですか?」「どこ住んでるのー?」「SかMどっち? いや、Sと見せかけてドMだね」
笑いながら、セクハラ発言で攻めてくる。
適当にあしらっていた鞠香も、次第に辛くなってきていた。
彗君は、キッチンのヘルプもあるからずっとフロアにいるわけではなくて……。
男の子たちも彗君のオーラには怯むのか、いないときにそういうことを言ってくるのだ。
やけくそで、「旦那さんとはラブラブです!年下はなし。家は近所で、最後のはご想像にお任せします」
と早口言葉のように言って、盛り上がる男の子たちを置いてトイレに避難した。
裏で、ふーっとため息をついていると彗君が来て、
「助けに行こうかと思ったけど、華麗にスルーしたね。さすが、大人の女」
くっくっと笑いながら背中をポンポンとされた。
見られてたんだ……。
フロアへ戻っていく背中に、ちょっとだけ腹がたったので、そのあと彗君がこっちを見てニヤニヤしてきたのをプイと無視した。
これだって、華麗にスルーってことなんだから……。
彗君は、そんな鞠香を見て吹き出している。
そのあとも、その若い団体客は鞠香をターゲットにしたらしく、何かと話しかけてきた。
ワインを、水のように飲み続けているので、そこだけ宴会場のようになっていた。
平日の2時過ぎで、もともとお客さんは少なかったけど、その騒がしさのせいか、気づけばみんな早々と席を立ってしまっていた。
そうなると男の子たちはますますエスカレートし、鞠香への質問はきわどいものになってくる。
呼び方も、すでにまりちゃんになっていた。
「まりちゃーん。旦那さんとエッチしてる?」「年下なしですか?」「どこ住んでるのー?」「SかMどっち? いや、Sと見せかけてドMだね」
笑いながら、セクハラ発言で攻めてくる。
適当にあしらっていた鞠香も、次第に辛くなってきていた。
彗君は、キッチンのヘルプもあるからずっとフロアにいるわけではなくて……。
男の子たちも彗君のオーラには怯むのか、いないときにそういうことを言ってくるのだ。
やけくそで、「旦那さんとはラブラブです!年下はなし。家は近所で、最後のはご想像にお任せします」
と早口言葉のように言って、盛り上がる男の子たちを置いてトイレに避難した。