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二重生活
第1章 鞠香
以前にも増して優しく、寛容になり、自由と贅沢を与えてくれるようになった雄一。
だけど、どんなに楽しく二人でお酒を飲んで話した夜さえ、ベッドに入ると背を向けて寝てしまうのだった。

愛する人に触れてもらえない……。
それは、辛く寂しいことで、鞠香は一人で慰めることもよくあった。

(寂しいよ……)

その背中を見つめながら、彼の指が蜜壺を掻き回すのを思い出す。
低い声を思い出す。
熱いものが貫き、敏感な突起が擦れる快楽を思い出す。

ベッドを揺らさないように、声を漏らさないように……。
ルームウェアのボタンを外し、胸を両手で揉みしだきながら、唾液で濡らした指先で乳首を弄る。
ピンと勃ち、舐めてほしそうに震える乳首に走る、甘くて、切ない焦燥感。


腰の奥がたぎるように熱くて、じんじんする……。
あの熱いものでめちゃくちゃに突いてほしい……。
入り口を掻き回して、奥を擦りあげてほしい……。

そう思いながら、 下着の中の蕩けきった蜜壺に手を伸ばす。

(雄一……寂しいよ……)


手を伸ばせない背中……。



こんなに近くにいるのに、果てしなく遠い背中。




鞠香は、奥ではなく、尖端で果てることを覚えてしまった。





それでも、鞠香は思っている。
結婚してよかったと。
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