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第5章 上書き

鞠香は逃げ出すチャンスを待って、舌先が乳首を執拗に転がし、噛み、なぶっていくのに耐えていた。

「声出してもいいよ。エッチな声聞かせて……」

首を左右に振って、睨み付ける。

「いいね、その顔めっちゃエロい。ピンクの可愛い乳首勃ってるよ？ 無理矢理されて感じちゃってるんだ。やっぱりドMだね……」

そういうとちゅばちゅばといやらしい音をたてながら、再び乳首に吸付いた。

「……ッ」

ヒクヒクと動いてしまう乳首と、どうしても疼いてしまう腰。

「……ンッンッ……」

(嫌……嫌……)

「あそこも触ってあげようか？ びちゃびちゃにさせてるんでしょ？ 糸引いたあそこも可愛いパンツも、舐めてあげるよ。淫乱なお姉さん……」

(嫌……やめて……どうしてこんな……)

涙が止めどなく伝い、胸の谷間に吸い込まれていく。

「ほんと、綺麗なおっぱいだね。こんなに細いのにおっぱいだけでかいって奇跡だよね」

谷間を舌先がツツツと滑る。
そのたび、嫌悪感とは違うところでピクンと体が反応してしまって、唇を噛み締めた。

(お願い……やめて……)

「泣き顔そそられるんだけど。苛めたくなるし、全身舐め回したくなる」

髪に顔を埋められ、匂いを嗅がれて舐められた。
綺麗にブローした髪が乱れていく。

「いい匂いすぎ。あそこも舐めたい……」

口を覆っていた手のひらをはずし、鞠香のスカートに手をかけた。
興奮で爛々とした目。
アルコールの匂いが立ち込める。

スカートが引き下ろされようとしたその一瞬の隙に、鞠香は思いきりその子を突き飛ばし、個室から飛び出した。