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二重生活
第6章 義務と演技
お店に近づくにつれ、気がついたら小走りになっていた。
彗君に会える……。
エレベーターの速度がすごく遅く感じて、階段を駆け上がればよかったと思いながら、階数表示を見つめていた。
「……4……5」
ドアの向こうに、彗君がいた。
箒を持って、いつもの笑顔で。
「おはよう、彗君」
「おはよう、そろそろ鞠香さん来る頃かなって思ってた。大正解」
待っててくれたんだ……嬉しくてきゅんとなる。
自然と笑顔になって、ただ会えただけで満たされていく。
彗君がいない世界を、もう、忘れてしまった。
週末なので、普段はほとんど夕方からしか来ない直人君と彩名ちゃんも揃い、スタッフルームはとても賑やかだった。
まるで、学生のときに戻ったみたいに、楽しいひととき。
私とみんなの間には見えない線があることはわかっていても、朝のことを思いだし気持ちが沈んでも、みんなといると心が弾んだ。
彗君に会える……。
エレベーターの速度がすごく遅く感じて、階段を駆け上がればよかったと思いながら、階数表示を見つめていた。
「……4……5」
ドアの向こうに、彗君がいた。
箒を持って、いつもの笑顔で。
「おはよう、彗君」
「おはよう、そろそろ鞠香さん来る頃かなって思ってた。大正解」
待っててくれたんだ……嬉しくてきゅんとなる。
自然と笑顔になって、ただ会えただけで満たされていく。
彗君がいない世界を、もう、忘れてしまった。
週末なので、普段はほとんど夕方からしか来ない直人君と彩名ちゃんも揃い、スタッフルームはとても賑やかだった。
まるで、学生のときに戻ったみたいに、楽しいひととき。
私とみんなの間には見えない線があることはわかっていても、朝のことを思いだし気持ちが沈んでも、みんなといると心が弾んだ。