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二重生活
第7章 rose
頬を赤らめて目をつぶる鞠香は、色っぽくも可愛くて、扇情を煽るのに充分だった。
つんと上を向く形のいい大きな乳房。薄い桃色の可憐な乳首。

温かな舌が、乳房の付け根から先端までを舐めあげ、柔らかく絡み付いた。 
思わず甘い息が漏れ、それに煽られたのか、舌先の動きが激しくなった。

「……ハァ……ンッ……やっ……それダメ……ンッ」

寄せた両方の乳首を往復しながら交互に舐められる刺激に、胸を反らしてよがってしまう。

「彗……君……。こわい……」

身体の一部を弄られただけで、こんなにも感じてしまうなんて…。

性感が一気に高められ、波に飲み込まれそうになるのがこわくて、彗君の腕にしがみつく。

「大丈夫だよ」髪を撫でられ、
「嫌だったら最後までしない……」

そう言ってキスをする彗君に、「やめないで……」と舌を絡ませた。
もう、どうしてほしいのか、どうしたいのか、どうすればいいのかわからなかった。

気づけば、しゃくりあげていた。

涙が止まらなくなった鞠香に、

「……ごめん。鞠香さん。ここで抱いたら、鞠香さんが苦しむんだよね? ここで暮らせなくなっちゃうよね、ごめん……」

彗君は、何度も謝りながらぎゅうっと思いきり抱き締めてくれて、

「飲み直そう!」と、乱れた服を直してくれた。




(違うの……)

本当に、心からやめないでと思ってしまったの……。

ここは、雄一と私の家なのに……。



彗君に触れられた場所が切ないほど熱くて、涙は暫く止まらなかった。
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