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二重生活
第10章 キスの痕
「……彗君……が……ほしい……」

ついに、言ってしまった……。
気づいて、気づかないふりをしていた、本当の気持ち。



「大切に、する。家に来てくれてありがとう」

キスを重ねながら、お互いの服を脱がせあった。
引き締まったしなやかな裸体が、月明かりに浮かび上がる。
力を入れたときだけサッと現れる筋が綺麗で、これから神聖な儀式が始まるかのような錯覚さえ覚えてしまう。


だけどこれは、神聖とは程遠い
罪だ。


それでも、手を伸ばさずにはいられない。
触れたくて、触れられたくて、求めてやまない気持ち……。

今だけは、彗君のことだけを考えていたかった。
一瞬一瞬が愛しくて、照れくさくて、だけどすべてを心に焼き付けておきたくて……。

「彗君……」

愛しい気持ちは、鳴く声や吐息となって漏れる。

抱き合うと、背中からお尻の谷間まで指が這っていった。
Tバックをずらされ、恥ずかしいところまで指が刺激する。
雄一に言われて処理した股間……。

「……やぁ……ん……そこ、だめ」

「だめじゃない。全部俺に委ねて……」

「……ンッ……」

「ここ、つるつるで可愛い……」

耳元で囁くから、また体が跳ね、とめどなく蜜が溢れてしまう。
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