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あなたに抱かれたい
第10章 夫のいない生活
「ありがとうございます
まあ、立ち話も何ですし、どうぞお上がりになってくださいな」
お隣の間宮は片手にバスケットを受けとると、
もう片方の手で久美子の右手首を掴んで家屋の中に半ば引きずり込むように招き入れた。
「あ、あの…夜分遅いですし、私、もうここで失礼します」
「まあまあ、そうおっしゃらずに」
ぐいぐいと引き込まれて、玄関から奥の間に誘い込む。
靴のまま廊下に上がってはいけないと、日本人の習慣で靴を脱いでしまい、家の奥に連れ込まれた。
独り身で洋服にも無頓着な男だから掃除もされていないむさ苦しい部屋を想像していたが、思いの外、小綺麗に片付けられている事に驚いてしまう。
「部屋、片付いているでしょ?
モテなそうな私ですけどね、こう見えて彼女がいるんですよ
その彼女が毎週のように訪ねてきてくれて掃除も洗濯もしてくれるんです」
えっ?彼女がいるの?
久美子は驚いてしまった。
蓼食う虫も好き好きとは言うけれど、こんなハゲでデブでチビの男に惚れてしまう女がいるなんて…世の中には奇特な女性もいるものだわと思った。
「ほらほら、そこにお掛けになってくださいな
何か飲みます?ビールでいいですよね?」
「いえ、本当にもうお構い無く…」
連れ込まれてレイプでもされるのかと一人合点していた自分が恥ずかしかった。
彼女がいるのなら性処理だって満足しているであろうから、取り越し苦労だったわと差し出されたビールグラスを受けとると「乾杯!」と間宮もビールグラスを手にしてグラスをチンっと小気味いい音を響かせた。
「さあ、一気に飲んじゃってくださいな
ビールはね最初の一杯が美味しいんですよ」
間宮はビールをグビグビ飲みながら、久美子が差し入れたローストビーフを指でつまんでヌチャヌチャと咀嚼しながら「こいつはうまい!絶品だ!」と誉めてくれた。
得意の料理を誉められて、上機嫌になった久美子はビールを喉に流し込む。
もとよりアルコール類には目がなかった。
夫とのなれそめも出張先で呑みに誘われて酔ってしまい深い仲になったというだけあって、久美子は美味しそうにビールを飲み干す。
「このビール…苦味が強いんですね…」
「わかります?ベルギー産なんですよ」
なんとか誤魔化したが、実はビールにひそかに仕入れた媚薬を大量に混ぜていたのだ。

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