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あなたに抱かれたい
第11章 ドバイの秘書
しばらく歩くと拓哉の事務所とそんなに距離の離れていないお店に「ここです」とアーヤはバーのドアを開いた。
「おや?アーヤ、久しぶりじゃないか」
アーヤが店に足を踏み入れると、カウンターの向こうからアーヤの姿を見つけたマスターが陽気に声を掛けた。
「あれ?チャイニーズの男かい?」
マスターは拓哉の姿を見ると、あからさまにイヤそうな顔をした。
中国人が好まれていないのは万国共通のようだ。
「ううん、ジャパニーズよ」
わたし、この度、彼のオフィスで雇ってもらえることになったの
アラビア語で話すものだから聞き取れなかったが、どうやら拓哉の事をマスターに紹介しているのだとわかる。
「そうかい!アーヤのボスって訳だ!
こりゃいい、うん、いい男じゃないか!」
どうやら誉めてくれているのか、マスターは顔をくしゃくしゃにして笑顔を見せてくれた。
「さあボス、こっちのボックス席に座りましょ」
プライバシーを守るかのようにパーティションで仕切られたボックス席に二人は腰を下ろした。
「お酒、飲めるんだよね?今夜は僕の奢りだから好きなものを飲んでいいよ」
「嬉しいわ!じゃあ…バーボンを飲ませてね
ボスも同じものでいいでしょ?」
そう言ってアーヤはパーティションの仕切りから顔を出して、マスターに「バーボンをボトルでお願いね」と注文した。
「アーヤ、さっきから僕の事をボスと呼んでいるけど、その呼び名はやめてくれないか?」
「あら…ではなんとお呼びしたらいいのかしら?」
君のお兄さんもそうだけど、事務所のメンバーからはキャップと呼ばれているんだ。僕自身、その呼び名が気に入っていてね
そのようにアーヤに伝えると「了解しましたキャップ」とゾクゾクするような笑顔を見せてくれた。
「失礼するよ」
お楽しみのところ悪いんだけど、注文の品をお持ちしましたと
バーボンのボトルとグラスを置いて、アーヤに向かって「いい男じゃないか、うまくやんな」とアラビア語で囁いてウィンクを投げ掛けた。
「マスターは何て言ったんだい?」
「えっ?あ、えっと…しっかりと働きなさいって激励してくれたの」
「そうか…じゃあ、今夜だけはたらふく飲んで明日からしっかりと働いてもらわないとな」
そう言って互いにチンってグラスを鳴らして乾杯した。

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